ヒト肺胞上皮Ⅱ型細胞モデルとして汎用されているA549細胞から、限界希釈法によって複数のクローン細胞を得た。得られたクローンの中から、Ⅰ型細胞に特異的に発現している異物排出ポンプP-glycoprotein (P-gp)の発現・機能の高いA549/P-gp細胞を得ることができた。A549/P-gp細胞では親細胞に比べてP-gpのみならずⅠ型マーカー遺伝子の発現も上昇しており、Ⅰ型細胞の形質を有するものと考えられた。A549/P-gp細胞を用いて、P-gp機能に及ぼすタバコ煙抽出物(CSE)の影響を解析し、CSEは肺胞上皮細胞のP-gp機能を阻害することを明らかにした。
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