脳血管疾患発症予測に有用な新規マーカーの同定を目的とし、心臓から脳への血圧・血流伝達特性の評価法を検討した(研究課題1)。また現在、脳血管疾患発症予測マーカーとして注目されている頸動脈伸展性について、その制御因子の同定を行った(研究課題2)。課題1では、大動脈から脳への血圧・血流拍動性成分の伝達ゲインが-30mmHgの下半身陰圧負荷で増強されることが明らかとなり、交感神経刺激による脳循環拍動性成分の緩衝効果を評価する際の至適負荷について有用な知見が得られた。課題2では頸動脈拍動性血流速度が大きいほど頚動脈伸展性は高く、また頸動脈拍動性血流速度は最大酸素摂取量と関連することが明らかとなった。
|