心臓・血管は動的な組織である。即ちそれを構成する細胞は、細胞外の動的なダイナミクスに適応し、組織ひいては生体恒常性維持に関与する。しかしながら、心血管細胞の細胞外微小環境の変化への適応機構はわかっていない。本研究は、細胞外環境の硬度に着目し、心血管細胞が如何に細胞外の物理的な変化に適応機構の解明を目的とした。当初、光感応性に硬度変化するハイドロゲルを利用した実験系を計画していたが、その安定的な作製が困難であった。そこで細胞との反応性が低く比較的均質なシリコンラバー上での培養系を確立した。健康な生体組織に近い細胞外硬度において、細胞はそのストレスを低減させる分泌物を放出する可能性を明らかにした。
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