研究課題/領域番号 |
26670197
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
鈴木 高史 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (70305530)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 遺伝子組換え / 胎生昆虫 |
研究実績の概要 |
アフリカトリパノソーマ症はアフリカトリパノソーマ原虫により引き起こされ、ツェツェバエにより媒介される。本疾患はサブサハラアフリカで人々の健康とタンパク源となる家畜に甚大な被害を与えている。アフリカトリパノソーマ症の主要なコントロール法はツェツェバエに対するものが主流であり、このような背景をもとに本研究では昆虫の遺伝子組換えの分子基盤の確立により、ツェツェバエの新規コントロール法を探索するものである。 しかしながら昨年度から所属機関が変更となり、研究協力機関であるGhana Atomic Energy Commissionとの物理的距離が問題となった。そのため昨年度より代替システムの検討を始め、さらに今年度は以下の遺伝子組換えの分子基盤整備とエフェクター候補分子の解析を行った。 1. 遺伝子組換え技術としてCrisprノックインシステムの構築を行い、CHO-K1細胞への遺伝子導入システム構築を行った。 2. ツェツェバエDefensin分子の培養系での抗アフリカトリパノソーマ原虫活性、抗菌活性解析を行った。推定マチュア部位、推定活性部位ともに、培養アフリカトリパノソーマ原虫(ツェツェバエ感染型)に対して、500μM以上の濃度で増殖を抑制したが大腸菌、黄色ブドウ球菌に対しては、 推定マチュア分子、推定活性部位いずれも 2mMでも増殖阻害はかからず、ツェツェバエDefensin分子の抗微生物活性は種によって特異的スペクトルがあることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度から所属機関が変更となったため、研究協力機関であるGhana Atomic Energy Commissionとの物理的距離が問題となった。国内においてツェツェバエの維持を行っている機関がなく、また輸入に対しても厳しい条件があるため、ツェツェバエのコロニーを用いての研究が難しい状況となった。 このため、エフェクター分子の解析を先に進めてきたが、ツェツェバエ代替システムの構築にはさらに検討が必要であると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は研究期間を1年間延長した。平成29年度はツェツェバエの遺伝子組換えを行う上での技術的問題点を再検討し、その解決にどのような代替システムの開発が必要かを明らかにしながら研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を再検討し研究期間を1年間延長するとともに、研究費執行計画の再検討を行い、本年度に必要な研究費の執行を行ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究は次年度(平成29年度)が最終年度であるため、新たに立てた研究費執行計画にもとづいて、研究費執行を行い、研究成果が得られるように効率的な使用を行う。
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