本研究では熱帯熱マラリア原虫を約70%の原虫が死滅する条件においてENUで処理し、遺伝子変異を誘発した原虫集団を作出した。次にENU変異原虫集団をメフロキンで処理し、新たにメフロキン耐性を獲得した原虫を選択した。この原虫における遺伝子変異を同定するために全ゲノム解析及びSNPs解析を行った。その結果、約2000個の変異が同定された。次に耐性の責任遺伝子を同定するために耐性原虫由来人工染色体ライブラリーを構築し、メフロキンによるスクリーニングを行った。その結果、メフロキン耐性遺伝子が組み込まれたと推定される原虫クローンを3種得ることに成功した。現在、この耐性遺伝子の同定を試みている。
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