本研究は、マラリア原虫のタンパク質相互作用を標的としたリバースケミカルジェネティクス研究法の確立を目ざした。まず、マラリアワクチン候補分子GAMAと直接結合するマラリア原虫タンパク質MSP10を同定した。次に、GAMAとMSP10の結合を阻害する化合物を探索するため、高速な分子間相互作用検出系であるAlphaScreenを用いてGAMA-MSP10相互作用に対する阻害剤のスクリーニング系を構築した。今後は当該相互作用を阻害する化合物を探索し、それを培養熱帯熱マラリア原虫に添加しメロゾイトの赤血球侵入に及ぼす影響を解析することにより、原虫の赤血球侵入分子メカニズムの解明に繋げたい。
|