腸管でのIgA抗体の誘導や維持に関わると思われるエネルギー代謝に着目した研究を遂行した。メタボローム解析から、ナイーブB細胞がクエン酸回路依存的にエネルギー産生しているのに対し、IgA抗体産生細胞は解糖系へとシフトしていることが判明した。さらにクエン酸回路に必須のビタミンB1を欠乏したマウスにおいては、ナイーブB細胞が減少し、経口ワクチンに対するIgA応答が減弱していた。これらのことからIgA抗体のメモリー応答へと続く分化過程でエネルギー代謝の変化が起こると共に、エネルギー代謝に必要なビタミンB1への依存性も変化することが判明した。
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