本研究課題では、糖尿病による免疫力低下の結果、抗腫瘍免疫を担うサイトカインであるTRAILの減少が生じ、それにより発がんに至る可能性について検証を行った。2型糖尿病モデルラットおよびマウスの臓器サンプルを用い、正常個体とのTRAIL mRNAの発現量比較解析を行った。その結果、糖尿病モデル動物の大腸と膵臓由来のcDNAサンプルで、正常に比してTRAIL発現量が低いという結果が示された。一方、糖尿病治療薬であるメトホルミンがヒト膵臓癌細胞に対し、TRAIL誘導性アポトーシスを増強することを見出した。
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