野生型マウスの背部皮膚に直径4 mmの打ち抜き損傷を作製したところ,オートファゴソーム形成のマーカーであるLC3の発現が受傷前と比べて受傷後1日で有意に減少していた.一方LC3に直接結合してオートファジーにおいて選択的に分解される基質であるp62の発現は,受傷前と比べて受傷後1日で有意に亢進していた.またLC3並びにp62の発現をマクロファージに認めた.以上より皮膚損傷部では治癒過程初期に主にマクロファージにおいてオートファジーが抑制されてマクロファージが活性化し,創傷治癒に重要な役割を担っていることが示され,オートファジーが受傷後経過時間判定における新しい指標となり得る可能性が示唆された.
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