がんに対する抗体療法の抗腫瘍効果は抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性に依存している。ADCCは細胞表面に発現しているCD16を介してNK細胞が担っており、T細胞にはCD16発現が陰性であるのでADCC活性がない。本研究では、CD16-CD3zキメラ遺伝子を作製し、活性化CD8陽性T細胞に導入した。このCD16-CD3z-T細胞は抗体存在下で高いADCC活性を示すことがin vitroで明らかとなった。さらに、CD16-CD3z-T細胞と抗体併用療法は、ヒト腫瘍を移植した免疫不全マウスを用いたin vivo実験系でも高い抗腫瘍効果が示された。
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