ラジウム-223は治療用のアルファ線放出核種として初めて薬事承認された。ただラジウム-223を使った新しい標識化合物の作成は困難である。アルファ線放出核種アスタチン-211は、ヨウ素と性質が類似しており臨床応用が期待されているが、わが国における供給、製造体制は整備されていない。そこでサイクロトロン照射後のターゲットからアスタチン-211を効率的に回収する方法について検討した。アスタチン-211の半減期が7.2時間と短いことから、代謝の早い抗体フラグメントFabを作製し、ヨウ素-125標識体による体内動態およびベータ線放出核種であるイットリウム-90を用いて担がんマウスにおける動物実験を行った。
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