摂食に伴い増加するインスリンや様々な栄養素が、中枢神経に作用し、迷走神経・クッパー細胞を介して、肝臓IL-6/STAT3シグナルを活性化することを見出している。一方で、転写因子STAT3は、抗アポトーシスおよび細胞増殖関連遺伝子の発現誘導を介し、肝再生のマスターレギュレーターとして重要な働きを担っている。本研究において、中枢神経による迷走神経制御と肝臓STAT3活性化の仕組みを明らかにするとともに、その仕組みがインスリン抵抗性・肥満状態では障害されることを見出している。肥満・インスリン抵抗性による中枢神経性肝臓機能調節の異常が、肝再生障害と相関する可能性を示唆するものである。
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