Galectin-7は真珠腫に特異的に発現するタンパク質である。これを利用して手術中にgalectin-7を免疫染色し手術用蛍光顕微鏡で確認すれば、真珠腫上皮の同定が容易となり、真珠腫の遺残を軽減することができる。このアイデアとシーズを臨床展開することを目的に基礎研究を行った。1)galectin-7染色に必要な試薬(保存剤としてアジ化ナトリウム含有)の内耳毒性の検証、2)アジ化ナトリウムのキレート作用の確認、3)その際の免疫染色能の変化を検討した結果、真珠腫の染色性は保たれ、明らかな内耳毒性は認めなかった。これにより臨床で真珠腫上皮を術中同定する手法が確立された。
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