本研究は、骨における副甲状腺ホルモン(PTH)の二つの作用について検索を行った。第一点は、PTHの高頻度投与では多数の骨梁が誘導されるが、PTHの低頻度投与では骨梁数が増加しないものの、骨梁幅が増加することを明らかにした。前者は活発な骨リモデリングに依存する一方、後者はミニモデリング(破骨細胞の骨吸収に依存しない骨形成)と骨リモデリングの両方に依存することが推察された。第二点は、PTH投与後短時間において、骨細胞はその周囲の骨基質を溶解(骨細胞性骨溶解)し、また、再石灰化する可能性を明らかにした。
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