試作樹脂は,有機および無機フィラーを含み,マトリックスには,口腔内での使用を前提に,一般的に用いられるUDMAやTEGDMAなどの架橋モノマーを用い,光重合型コンポジットレジンとして製作した。これにマイクロカプセルを混合して自己修復機能を有する樹脂の試作品とした。試作樹脂を傷つけた後の表面の変化を顕微鏡下に経時的に観察したが,明確な修復現象は観察できなかった。さらに5種類の架橋モノマーを採用して同様の観察を行なったが,やはり修復現象は確認できなかった。したがって,今回の一連の試作樹脂では口腔内使用を前提とすると,自己修復機能は期待できないという結論に至り,研究は不成功に終わった。
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