IT技術を用いた災害看護のパフォーマンス評価指標の開発

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 26670913
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 臼井 いづみ 千葉大学, 看護学研究科, 特任助教 (80595984)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 災害 / シミュレーション教育 / 専門職連携 / 教材開発

研究実績の概要

本年度は、研究の第一段階として、災害看護グローバルリーダー養成プログラムで育成されるべき人材像のうち「災害時という危機的状況においてリーダーシップを発揮できる」というアウトカムを目的に、5年一貫制大学院の1年生を対象にした教材開発を行った。
災害時でのリーダーシップを体験するにはシミュレーションを用いての教育が有効であるため、千葉大学大学院看護学研究科及び園芸学研究科の連携研究者の協力を得て、シミュレーションシナリオの開発を行った。このシミュレーションでは、災害時の対応を学ぶと共に、災害時における専門職連携を体験することが目的となる。学習対象者が1年生であるため、専門職連携でも、特にチーム・ビルディングとチームにおけるリーダーシップが体験できるよう災害のフェーズに合わせた平時、災害発災直後の急性期、中長期の3段階でシミュレーションシナリオを開発した。専門性の異なる学生たちのグループがチーム・ビルディングやチームでのリーダーシップ、メンバーシップを体験できるような演習を計画した。演習は3日間の集中で実施した。演習終了後、20項目5段階評価の授業評価を学生、演習協力者に対して実施した。
シミュレーションシナリオの適切さの評価について「災害時専門職連携演習におけるシミュレーションシナリオの適切さの評価」という研究題目で千葉大学大学院看護学研究科の倫理審査を受け、災害時専門職連携演習に参加する全ての学生、演習協力者に研究への協力の依頼をして２人を除き全員からの同意を得て、演習の様子をビデオに録画した。
本年度購入したデジタルビデオ分析システムを用いて分析できる素材とするため、録画した画像をパーソナルコンピューターに取り込み、加工をした。今後、画像を分析システムを使って分析し、シミュレーションシナリオや演習の方法を修正する予定である。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラーニング・アウトカムズに基づいた到達目標の設定、到達目標に合わせたルーブリックの作成、到達目標に合わせたシミュレーションシナリオの開発、シミュレーション演習の実施、演習の様子の録画まで計画通り順調に進んでいる。演習の実施が3月であったこと、録画したビデオの量が膨大なため資料の分析準備に時間がかかっているが順次進行中であり、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き、ビデオの分析を続け、評価指標の妥当性、有効性の検討を続ける。学生の習熟度に合わせたシミュレーションシナリオとなるよう修正する。修正したシナリオを用いて、演習を実施する。評価指標の洗練を図り、修正を行う。学会等においてシミュレーションシナリオ開発の過程、評価指標の開発過程について公表する。