本研究の目的は、学生がラーニング・アウトカムズを習得したかどうかを査定するIT技術を用いた評価指標を開発し、学生の習得度、および教育の質を評価する方法を開発することであった。その方略として、①パフォーマンス課題となるようなシミュレーションシナリオの開発、②評価基準を明確にしたルーブリックの開発を挙げていた。 本年度は、一昨年度、昨年度の評価をもとに、事前学習の内容・方法、シミュレーションシナリオ、シミュレーション実施方法の修正を行った。市レベルの災害対策本部でのチーム運営と多機関連携、発災後1年半の街づくりをテーマにした住民参加ワークショップの運営を題材に、3日間にわたりシミュレーション演習を実施し、パフォーマンスの録画を行った。演習参加者には実施後Webベースでの演習評価アンケート調査を実施した。 演習評価アンケートでは、「シミュレーションシナリオの完成度は上がった」と評価されたが、「その分学生の事前学習の不足が露呈した」という指摘もあり、事前学習の課題の内容、学習方法、理解度の確認方法、シミュレーションの実施方法、難易度や時間の設定に改善の必要性が示された。また、パフォーマンス録画画像の分析はまだ実施できておらず、評価指標の検討には至っていない。本年度で助成は終了となるが、本研究はその目的の一部しか達成できていない。引き続き、録画画像の分析、評価指標の洗練を継続して実施し、評価指標の公表まで繋げていく予定である。 演習実施からの期間が短く、研究成果をまとめ、公表するまでには至っていない。今後も研究を継続し、できるだけ早くその成果の発表を行っていく予定である。
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