研究課題
平成27年度は、これまでの研究結果から白血病幹細胞がTIM-3リガンドであるgalectin-9をautocrine様式で分泌すること、そして、TIM-3/galectin-9シグナルがNF-kBとβ-cateninの共活性化を生じることを見いだしていましたので、このautocrineシグナル経路がin vivoにおいて治療標的になりうるかどうかを異種移植系を用いて実験を行いました。ヒトgalectin-9に対する中和抗体の投与により免疫不全マウス内に再構築したヒトAMLの白血病幹細胞の機能に対して抑制的に作用するか検討しました。その結果、TIM-3/galectin-9 autcrine loopの遮断により白血病幹細胞の自己複製能力を中心とした機能が抑制されることが明かになりました。すなわち、in vivoにおいてもTIM-3/galectin-9シグナル経路が白血病幹細胞の機能にとって重要な役割を担うことが明かになりました。さらに、AML以外の骨髄性腫瘍においても、AML同様にTIM-3陽性白血病幹細胞がgalectin-9を分泌するTIM-3/galectin-9シグナルが存在することも明らかにしました。平成27年度はこれらの実験結果をまとめ、Cell Stem Cell誌に報告することができました。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Stem Cell
巻: 17 ページ: 341-352
10.1016/j.stem.2015.07.011