研究課題/領域番号 |
26730017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 紘司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (10548176)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 累積確率モデル / 直交分解 / カテゴリ併合 |
研究実績の概要 |
順序カテゴリ正方分割表において,累積確率に基づくモデル(以下,累積モデル)による解析は有用である. しかしながら,解析した際に既存の累積モデルの当てはまりが悪いことは起こり得ることであり,その場合にはさらなる詳細な解析が必要となる.そこで,既存の累積モデルの直交分解を考えることで,当てはまりの悪い原因を探ることや,当てはまりのよいモデルを見つけることで新たな解釈を得ることを目標に本年度は研究を行った. アプローチとして(1)直交補空間の考えに基づくモデル考案と分解定理導出,または(2)既存の累積モデルを拡張したモデル導入による直交分解定理導出,を考えたが,アプローチ(1)ではうまく空間を定義できなかったため,本年度はアプローチ(2)で目標達成を試みた. 具体的には,Tomizawa et al. (2007)で提案された累積モデルに対し,それを拡張した新たなモデルを導入し,分解定理を考案した.しかし,直交分解定理の導出までは至らなかった.完全な目標達成には至らなかったが,ある程度の研究成果は得られたため,当該研究成果を学会にて発表した. また,当初の研究目的自体とは少し異なるが,順序カテゴリ正方分割表におけるカテゴリ併合を行うことによる新たなモデル提案が最近行われたため,そのモデルに基づく新たな解析アプローチを試みた.具体的にはカテゴリ併合に基づくモデルに対する尺度開発を行い,従来の解析では得られなかったより詳細な解析を行うことが可能となり,新たな知見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究成果としてある程度の成果は得られたものの,当初目標としていたところまでは到達できなかった. しかし,現段階で得られている研究成果をもとに,次年度に当初目標を達成する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
最新の研究結果により,もともとの目標とは異なるものの,計画当初には予定していなかったアプローチにより当初目標に近い研究成果を得られる可能性が出てきたため,こちらのアプローチによる研究も次年度に追加して行う予定である. また,本年度に予定している統計量開発に関しては引き続き研究を行っていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
交付額に応じて当初予定していた物品購入の金額を下げたため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の研究成果を次年度国際会議で発表する予定としており,次年度使用額は,次年度交付額の旅費分にプラスすることで賄う予定である.
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