細胞密度の高い厚みのある組織再生は,酸素供給が不十分な問題があった.本研究では,組織の生存状態を維持するために,酸素の徐放性を制御しながら血管新生を促進できる新規な材料の開発を目標とした.20%の過酸化カルシウムを含むPDMS(ポリジメチルシロキサン)スポンジは良好な酸素徐放特性を示すことがわかった.そして,1週間培養に亘る高密度培養にも関わらず,内部組織の生存率の維持に成功した.さらに,低酸素状態で細胞が死滅する方向に細胞内部の状態が進行していることを意味する遺伝子の発現が,新規に開発した材料で抑制されていたことから,本研究で開発したモデルは再生医療用組織として有用である可能性が示唆された.
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