進行性大腸がんの抗がん剤に使用されるオキサリプラチンは、副作用として高頻度(90%以上)で手足の異常感覚(しびれや痛み)を引き起こす。本研究では、手指の異常感覚を抑えることを目的として34名(男性22名、女性12名、平均年齢63.5±11.7歳)の進行性大腸がん患者に対して温熱療法の効果を検証した。本研究の温熱療法は、充電式ホットインナーグローブを装着することと、普段の生活の中で手を冷たいもの(冷水や冷蔵庫など)に触れないようにする生活指導を含むものだった。平均3か月の温熱療法の結果として、異常感覚を抑制させる明確な効果は認められなかったが、握力の低下を予防する可能性が示唆された。
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