本研究では、指導者養成を目的とした器械運動の実技実習の展開方法及び、そこで扱う学習教材の考案に取り組んだ。具体的には、既に習得している技に何らかの制約を与えて「できなく」なるという体験をさせること、そしてそこから技のコツを捉えなおして再び「できる」ようになるという体験をさせることによって、学習者の指導上の視野が広がっていくことが例証された。将来指導者を目指すものが運動技術を学ぶとき、指導書等に書かれていることを知識として理解するだけでなく、感覚的なコツとして理解しておくことが重要であるということが一連の考察によって明らかになった。
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