人口減少が著しい日本の山村集落を対象とし、その地域コミュニティのあり方やその資源管理の現状について、居住者のみでなく他出者らによる出身集落へのかかわりに着目して明らかにした。また、その資源管理の可能性と限界を考察し、その有効策を検討した。他出者が山村集落に果たしうる役割とその特性を整理し、山村集落の継承を考える上で重要な存在であることを示した。共有・共用する資源とそれをめぐる定期的な契機によって人々が直接的に繋がり合い、また、土地に根差した資源を通じて人々と土地とが直接的に繋がりあうといった形で、たとえ居住者がいなくても、山村集落の営みが部分的であれ続いていく可能性を提起した。
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