本課題は『プラカラナ・パンチカー』第9章の批判校訂を主眼としたもので、10種の手書き写本と3種の先行刊本に基づき再校訂し、当該章が主題とする「音声の永遠性論証」について分析するものである。 2018年7月の第17回世界サンスクリット学会での時点で、校合が未完了であったマラヤラム文字資料2種を除く11種の資料について校合を完了し、各資料の性格分析と写本間の系統分析を発表した。写本については、北インド系および南インド系のヴァージョン群に二分することが可能である点、また、マイソール東洋学研究所所蔵のテルグ文字写本が南インド系の低位祖本の読みを保持している可能性がある点を明らかにした。
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