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2016 年度 実績報告書

食卓の思想史――18・19世紀フランスにおける「社交」の変容とユートピア

研究課題

研究課題/領域番号 26770035
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

橋本 周子  滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (30725073)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード食卓 / 社交 / フランス革命
研究実績の概要

本研究課題は、〈美食〉を、アンシャン・レジームから革命期を経て 19 世紀に至る近代思想史の重要な転換点 における、〈社交性〉の概念と実践の変遷という広い展望のもとにおさめ、革命期以後の文化の生成において、アンシャン・レジームの遺産が果たした機能を見極めることを目的として出発した。
研究にあたってはまず、18世紀末から19世紀初頭にかけて生き、美食家として名を馳せたグリモ・ド・ラ・レニエールの美食を中心とした社会批判・食卓をユートピアのようにみたてる思想について再検討を行うことから始めた。この作業のなかで、そのようなユートピア的な発想が生まれることになった社会背景について、食という日常に近いところでの人々の暮らしはいかなるものであったのかについて、より詳細な検討が必要であることに気づくことができた。これを知るための格好の素材として、また同時にグリモに少なからず影響を与えた同時代の文人として、ルイ=セバスティアン・メルシエについての考察を行った。またその一方で、この時代の飲食における社交を考えるうえで欠かすことのできないカフェという空間についても考察を行った。
さらに、最終年度の成果として特筆すべきは、同時代の日本を比較対象としたことである。この時代の日本・フランスに直接的影響関係はないものの、市民社会の発展や飲食文化の飛躍的発展など、構造上の奇妙なまでの一致が随所に確認される。日本を適宜、対比研究の対象としておくことで、これまでなかなか見えてこなかったフランスの食卓「幻想」の特徴が、より一層明確になるものとの実感を得た。

研究成果

(5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 「啓蒙の飲料――フランス革命前後期のカフェの変容と「世論」の実態」2016

    • 著者名/発表者名
      橋本周子
    • 雑誌名

      『嗜好品文化研究』

      巻: 1 ページ: 64, 74

    • DOI

      -

    • 査読あり
  • [学会発表] 「太った身体のアンビバレンス――食べる者へのまなざし」2017

    • 著者名/発表者名
      橋本周子
    • 学会等名
      女性歴史文化研究所第12プロジェクト研究会
    • 発表場所
      京都橘大学女性歴史文化研究所
    • 年月日
      2017-01-06
  • [学会発表] 「近代的な〈食〉のはじまり、フランスの場合」2016

    • 著者名/発表者名
      橋本周子
    • 学会等名
      食文化原論研究会
    • 発表場所
      京都府立大学
    • 年月日
      2016-09-23
  • [学会発表] 「図書館のなかの習俗:18世紀後半における食の歴史編纂とその知的背景」2016

    • 著者名/発表者名
      橋本周子
    • 学会等名
      習俗論定例研究会
    • 発表場所
      フランス国立極東学院京都支部
    • 年月日
      2016-09-16
  • [学会発表] 「江戸中後期における〈食通〉論について(フランスとの比較をてがかりに)」2016

    • 著者名/発表者名
      橋本周子
    • 学会等名
      武庫川女子大学生活美学研究所研究会
    • 発表場所
      武庫川女子大学生活美学研究所
    • 年月日
      2016-07-30

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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