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2017 年度 実施状況報告書

戦後の日本語教育の位置づけと「発展」への過程―政策と教育実践の関連をふまえて

研究課題

研究課題/領域番号 26770181
研究機関神戸大学

研究代表者

川上 尚恵  神戸大学, 国際教育総合センター, 講師 (60507713)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード日本語教育 / 技術研修生 / 戦後 / 釘本久春 / ハワイ
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続き、技術研修生(以下、研修生)に関する日本語教育について分析を進め、それを論文にまとめた。また、日本語教育政策と実践をつなぐキーパーソンとして、釘本久春に注目し、釘本関連の資料を収集、分析した。
研修生に関しては、戦後から研修生への日本語教育を主導したAOTS(海外技術者研修協会)の理念と実践について論文をまとめた。その中では、戦後の研修生受け入れに関する政策を整理し、AOTSでの研修生に対する日本語教育の理念が、日本語教育の実践にも反映していたことを明らかにした。AOTSでの日本語教育は、その教育実践においても、「教育上の効果」ということを重視し、外国語教育理論を取り入れた実践等が行われており、戦後の日本語教育の発展の一翼を担っていたといえる。
釘本久春に関しては、釘本の執筆した著作、論文類を収集し、国立公文書館等に収められている釘本に関する公的資料も収集した。また、客員教授として在籍していたハワイ大学での活動やハワイでの日系人子弟のための教科書編纂に関して、ハワイでの調査を行った。釘本は、戦前から文部省官僚として日本語教育に携わっていたが、戦後は文部省、東京外国語大学教授等を歴任した。戦後の政府の日本語教育関連事業に大きく関わり、「外国人のための日本語教育学会」(現日本語教育学会)の成立にも尽力した。しかし、日系人子弟のための教科書編纂においては、現地のニーズとのずれも生じており、日本語教育実践者としての限界も示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画当初設定をしたテーマを中心に研究を進め、現在のところおおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

引き続き、AOTSに関する分析を行い、それをまとめる。また、釘本久春に関する研究も進めていく。

次年度使用額が生じた理由

おおむね計画に従った使用ができているが、当初設定した個別研究テーマを貫く研究を行う必要性を感じ、今年度からそれに関する調査・分析を行っていた。次年度はそれを公開する予定であるため、今年度の予定使用額から、一部を次年度に充てたいと考えた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 技術研修生に対する日本語教育の目的と実践: 1959 年~1980年代前半までのAOTSの日本語研修を対象に2017

    • 著者名/発表者名
      川上尚恵
    • 雑誌名

      国際文化学研究

      巻: 49 ページ: 23-50

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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