英国と米国の金融改革において、それぞれ消費者保護のための新たな監督機関が設立された。これらの改革動向を調査研究することにより、消費者保護を市場メカニズムを用いて実現するという思考方法が中核的な視点となっていることを明らかにした。また、かかる視点獲得の必要性を例証するものとして、消費者信用市場においては、製品リスクに関する情報の非対称性と消費者の限定合理性とを是正する3つの力が信用商品の特徴に起因して阻害されること、さらに、一定数の消費者が有する認知バイアスにつけこむ巧妙な商品設計が業者によりなされていること、を明らかにした。
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