本研究の問題意識は、会社債権者の中にも様々な属性の者がおり、それらを一括して論じるのは、他の会社法学における(特に株主の)類型化を通じた緻密な検討に比して、粗きに失するというものであった。3カ年の研究においては、従業員その他の債権者について、総論・各論的検討を行った。その過程においては、必ずしも会社債権者という視点に拘泥することはせず、株主・経営者でも複数の属性を併有する存在にも検討対象を拡張した。総本研究で得られた一連の成果は、会社法の様々な分野に広がったやや総花的なものだが、株主だけではなく債権者についても、分析的に論じる必要性があることを示すことには成功したのではないかと考える。
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