研究課題/領域番号 |
26780242
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伴 正隆 日本大学, 経済学部, 准教授 (50507754)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 新製品 / 売上予測 / ブランド選択 / マーケティング |
研究実績の概要 |
近年、ビッグデータという言葉が実務でも学術においても関心の的となっているように、ICT の発達により大量の消費者個々のデータが集積される経営環境にある。本研究では、非耐久消費財について、このようなデータの細かさを十分に活かした消費者個々の購買行動の予測に基づいて、それを総合した売上予測を行うモデルを開発する。具体的には、ID付きPOSデータを用い、ハザードモデルによって消費者の非耐久財新製品普及モデルを構築し、さらに購買間隔モデルを結合することで消費者のトライアル・リピート行動を予測する。提案するモデルは例えば価格などのマーケティング変数を変えた場合の製品ライフサイクルパターンを描くことが可能であり、望ましいパターンを模索するシミュレーション分析により新製品のライフサイクルマネジメントを考察することが目的である。 以上を踏まえ、本年度は、POSデータの整備をするとともに、ハザードモデルによって新製品普及モデルの開発、さらにブランド選択モデルを組み込むことで他製品からのブランドスイッチを考慮した普及モデルを開発する予定であった。そこでOmori (2003, Journal of the Japan Statistical Society) にて提案されている、マルコフ連鎖モンテカルロ法による推定に適応した離散時間のハザードモデルを援用したブランド選択モデルを構築した。しかしここで設定される新製品の採用に関する効用が、新製品を採用することを示した効用なのか消費者の来店を示した効用なのか識別できていないことが分かり、現在この問題の解決に取り組んでいるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要にもあるように、非耐久財新製品採用モデルの構築において課題が発見され、計画が遅れるに至った。
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今後の研究の推進方策 |
概要に記した課題について、TV広告への露出データを含むID付きPOSデータ(シングルソース・データ)を用いて、新製品採用に関する効用がTVCMへの露出と店舗への来店の有無によって構成されるようにすることで解決すると考えており、次ステップである購買間隔モデルとの結合に進む前に取り組む予定である。これにより新製品採用プロセスである認知・関心・評価・試用・採用のうち、認知・関心をハザードモデルが表現し、その後の採用までをブランド選択モデルが表現すると解釈することができる。
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