本研究は、病院で導入されているBSC及びTDABCに着目して、医療におけるマネジメント・コントロールの現状と課題を明らかにすることを目的としたものである。 本研究により、①我が国における病院BSCの視点の配置パターンの傾向や特徴を明らかにし、顧客の視点に位置づけられるステークホルダーの多様性を指摘するとともに、それらの形成に影響を与えている可能性のある諸要因を析出したこと、②TDABCを導入している欧米の病院を中心にケースレビューを行った結果、病院TDABCが採用される病院には、放射線科・検査部門・整形外科など、相対的にリスクが低く、診療行為が安定的な診療科で導入されていることを明らかにした。
|