研究課題/領域番号 |
26780315
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
稲垣 佳代 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (70611987)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神保健福祉士 / 就労支援 / 精神障害者 / ソーシャルワーカー / ソーシャルワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、当初「精神障害者を一般就労へつなげるために精神保健福祉士が行う就労支援」を軸として研究計画を作成していた。しかし平成26年度、本研究に関連の深いテーマを研究している研究者や精神障害者の就労支援を行っているベテラン精神保健福祉士から助言・指導を受けるなかで、自分自身がもっている問題意識は一般就労へつなげるための就労支援ではなく、「ソーシャルワーカーとして精神保健福祉士が行う就労支援」であることを再認識した。 精神保健福祉士は国家資格であるが、特に資格化以前からPSWとして実践してきた者たちのなかには「精神保健福祉士はソーシャルワーカーになり得ているのか」と問題提起する者も少なくない。そこで、平成27年度は精神保健福祉士がソーシャルワーカーとして就労支援を行う際に基盤となるソーシャルワークの価値と、それに基づく就労支援について先行研究レビューを行った。また、PSWの礎を築いた谷中輝雄氏の実践をソーシャルワークの価値に照らして論考した結果、谷中氏がソーシャルワークの価値に基づく就労支援ができるようになるプロセスにおいて、「失敗」に対する認識が変化していることが明らかとなった。また、「ソーシャルワークの価値に基づく就労支援を行っている精神保健福祉士は、その実践ができるようになる過程で谷中氏と同じようなプロセスを経たのか」「一定のプロセスを踏まなければソーシャルワークの価値に基づく就労支援ができないのか」などの研究課題が抽出された。これを高知県立大学紀要社会福祉学部編に投稿し、論説として掲載が認められた。 一方で、6月に妊娠が判明して以降は体調管理を優先したため、質的調査の準備・実施には至っていない。平成28年1月8日から産前休暇を取得した。育児休業は、平成29年3月31日まで取得する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画の見直しという点では前進はあったが、6月に妊娠が判明し、1月から産前休暇に入ったためインタビュー調査の準備と実施ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、研究課題をもとにインタビュー調査の実施に向けて準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
6月に妊娠が判明して以降、体調を優先して行動範囲を制限したため、インタビュー調査を実施できなかった。そのため、インタビュー調査の準備・実施に係る費用が差額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
育児休業から復帰した後、インタビュー調査の準備・実施・分析を進めていく。
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