高齢者施設において「スピーチロック」と表現されている「言葉による抑制」は,身体拘束の一つとして認識されている.アンケート結果から,職員のスピーチロックに対する認識状況は高いが,リスクを回避する場面や認知症の中核症状やBPSD(周辺症状)への対応場面等、施設内での日常的な場面でスピーチロックを使用していることが示された. スピーチロック廃止の取組をしている施設では,職員の職場環境の整備,日々の職員教育・研修をしていることが明らかになった.職員へのスピーチロック廃止に関する介護職員研修を実施した結果,職員は意識せずにスピーチロックをしていたことに気付き,倫理観の意識変化につながった.
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