息子介護者の生活状況およびサービス利用の(不)必要性についての認識が、息子本人とその親の担当ケアマネジャーの間で乖離するのはどのような場合か、なぜ乖離するのかを、両者への半構造化面接を用いて検討した。息子介護者がサービスを不要と考える理由はさまざまだったが、共通点として、サービスの受益者は息子自身であるという前提からその(不)必要性が語られていた。他方、ケアマネジャーの説明では、最終的な受益者は高齢者(=親)であるという前提が敷かれていた。息子介護者とケアマネジャーの認識が乖離する理由の一つは、誰がサービス利用の受益者となるべきかについての前提の齟齬にあることが示唆された。
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