研究成果の概要 |
本研究では活動理論に自己複雑性(SC)の概念を導入した因果モデル「就労者アイデンティティを取り上げるがポジティブ感情に及ぼす影響を自己複雑性が調整する」を、実証的に検討した。調査会社A社の50~74歳で、何らかの就労を行っているモニター348名(Mage = 60.23, SDage = 6.32, 男性203名, 女性145名)に対し、質問紙調査を実施した。分析の結果、肯定的自己複雑性の調整効果が検証され、肯定的自己複雑性が高い人は、就労者アイデンティティとポジティブ感情の結びつきが強かった。一方で、否定的自己複雑性の調整効果は検証されなかった。
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