1900~1910年代の『日本少年』『少女の友』においては投稿文化が盛んであった。『日本少年』の投稿は、男子投稿者によって、名誉に繋がるものとしてとらえられていた。そこでは、国家の有用な人間になることと、詩文に秀でた人間になることが、一致してとらえられていた。一方、『少女の友』の投稿は、女子投稿者によって、投稿者同士の交際に不可欠なものとしてとらえられていた。女子の場合、文芸作品の掲載は、学校において批判されることがあった。よって、女子は本名を隠し、雑誌の上だけで称賛されることを目指した。『少女の友』では、常連投稿者は、投稿者にも編集者にもスター扱いされ、大勢の支持者を獲得していた。
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