本研究は,証明の構想の取り組みを振り返る活動に焦点を当て,その取り組み方を生徒が身に付けるために必要な学習過程を,議論を視点とした理論的・実践的考察によって構築することを目的とした。この目的を達成するために,科学哲学者トゥールミンに依拠して議論と証明活動の特性を考察し,考察をもとに学習過程を立案し,学習過程を位置付けた授業を中学校数学科において計画,実施,分析するサイクルに繰り返し取り組んだ。そして,事柄の推測,証明の構想と構成,複数の証明に基づく各構想の評価,構想を活用した別の事柄の発見と元の事柄との関係の追究を位置付けた学習過程を構築した。
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