グラフ上の離散ラプラシアンのスペクトルは、物質中を運動する自由粒子のエネルギーを表し、ボース・アインシュタイン凝縮(BEC)は巨視的数の粒子が最低エネルギーの状態に落ち込む現象である。この場合、グラフは物質の構造を表す。本研究では、無限グラフ上のラプラシアンのスペクトルとグラフの形状の関係を明らかにし、BECが起きるようなグラフの例を構成した。副産物として、ラプラシアンに相互作用項を加えた離散ラプラシアンやランダムウォークの量子版である量子ウォークのスペクトルの構造も明らかになった。特に、量子ウォークの長時間極限分布を与える弱収束定理も証明した。
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