本研究では、KEK低速陽電子実験施設において生成される高輝度陽電子ビームを用いて、(i) 実験取得データのS/N比を改善すること、(ii)30年来議論されてきたルチル型TiO2(110)-(1×2)表面構造を解明すること、さらに(iii)新物質や未解決の表面構造を解明することを目的として研究を行った。その結果、(i)測定用検出器を改良することで、従来よりS/N比が100倍も改善された実験データを取得可能になり、それを用いて(ii)ルチル型TiO2(110)-(1×2)表面構造を決定した。さらに、(iii)単結晶基板上に形成させたシリセンやグラフェンという新物質の構造決定に成功した。
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