X線CT装置を用いて一方向炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の内部観察を行った.この断層画像よりデジタル画像相関法を用いて,それぞれの繊維が有するうねりを再現した一方向CFRPの3次元有限要素法モデルを構築した.このモデルを用いて圧縮荷重を負荷する数値シミュレーションを実施した結果,炭素繊維のランダムなうねりによって,圧縮負荷に伴い一方向CFRPの内部では局所的に曲げ及びねじり変形が生じることを明らかにした.この局所的な曲げ及びねじり変形がキンクバンド破壊の起点となる可能性を示した.また,成形法に依存した繊維うねりに起因する弾性率の低減を定量的に評価することができることも示した.
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