本研究では,SCRシステムにおける未規制物質の排出機構解明を目的として,触媒温度,触媒担持金属量,還元剤供給量がNOx浄化効率および未規制物質の排出特性に与える影響を調査した。排気後処理模擬装置を製作し,ZSM-5の銅ゼオライトを用いて試験を行った。 その結果,銅担持量が増加すると,最大NOx還元率は減少する傾向にあり,これは触媒へのNOx吸着量が減少するためであった。銅担持量が少ない場合には,COや未規制物質が還元されず排出量として増える傾向となった。これらの結果から,NOx還元率を確保しつつ,CO,未規制物質の排出をある程度抑えるためには,適切な銅担持量が必要であることが明らかになった。
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