近年,計算・通信技術の発達により,工学が扱う対象は飛躍的に大規模化している.このような背景のもと,電力ネットワークに代表される大規模システムを系統的にとり扱うための解析・制御手法開発の重要性は,今後とも日増しに高まることが予想される. 本研究では,モデル低次元化手法を応用することによって,ネットワークを構成するサブシステムの相互干渉情報を効率よく抽出し,その情報を処理する動的補償器と個々のサブシステムを制御する分散制御器が階層的に接続された制御系を設計している.このようにして得られる分散制御系は,従来の集中的な制御系と比較して,少ない計算・通信コストにより実装が可能となる.
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