本研究は、スペインの都市が中世から初期近世にかけて発達する過程において、宗教施設の建設や宗教勢力の介入がどのような影響を及ぼしたかを明らかにすることを目的とした。とくに、大聖堂の建設によって都市がどのように変容し、その骨格を定められていったのかに着目し、建設行為や建設物が都市を変容させていく過程を考察してきた。今回の研究プロジェクトではとくにスペイン北西部のレオンと南部のコルドバをとりあげた。レオンはローマ時代の軍営地の骨格の上に初期中世に成立した2つの重要な教会が都市形成の中核となった。コルドバはキリスト教化する13世紀の教区教会群が都市再編に大きな役割を果たしていたことが明らかとなった。
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