フェーズフィールド法に基づき、低炭素鋼におけるマルテンサイト組織形成過程をシミュレートしました。母相のすべりの有無によって、弾性ひずみエネルギー緩和プロセスが変化し、マルテンサイト組織に違いが生じることが分かりました。一方で、母相のすべりの有無は、マルテンサイト相の晶癖面形成に対してほとんど影響を及ぼさないことが明らかになりました。さらに、降伏応力の値がマルテンサイト組織に及ぼす影響をシミュレートした結果、降伏応力の値が500 MPa以上の条件において、降伏応力の値の増加とともにマルテンサイト組織が微細化する傾向があることが明らかになりました。
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