本研究の目的は、ナノメートルサイズのバイオマテリアルとして多くの成果を上げてきた疎水化多糖ナノゲルの機能を、ボトムアップ型プロセスによってマイクロメートル以上のサイズを必要とする研究分野へ発展させることである。本研究では分解性架橋剤を用いることで、生分解性の高いナノゲル架橋マイクロスフェアの調製に成功した。さらに薬物封入ナノゲル架橋マイクロスフェアは、薬物単独ではなく、薬物封入ナノゲルを放出するということが確認された。これは従来の高分子架橋マイクロスフェアでは見られない現象であり、新しい徐放デリバリーシステムを生み出す可能性のある薬物キャリアであることが分かった。
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