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2016 年度 実績報告書

細胞増殖・癌病態を制御する受容体型チロシンキナーゼの新規寿命調節機構の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 26830080
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

植村 武文  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80548925)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード上皮成長因子受容体 / ゴルジ体 / 細胞膜 / エンドソーム / クラスリンアダプター
研究実績の概要

最終年度では以下の実験を行った。
1. 「GGA-EGFR」の細胞内での結合場所をPLA法(Proximity Ligation Assay)により解析した。GGAのカーゴとして知られているCIMPRとの結合はゴルジ体と思われる核近傍であったが、GGA-EGFRの結合は細胞質中に観られた。AP-1複合体において同じような結果が得られた。以上の結果から、GGA、AP-1はEGFRをエンドソームあるいはリソソームで認識することが示唆された。
2. GGA2ノックダウン細胞にGFP-Rab5変異体などを発現させ、エンドソーム - リソソーム間の小胞輸送をブロックしたところ、Rab5変異体の場合はEGFRは初期エンドソームマーカーのEEA1と共局在し、Rab7変異体の場合はEEA1よりも、後期エンドソーム/リソソームマーカーのカテプシンDとEGFRが一致した。以上の結果から、GGA2ノックダウン細胞では、EGFRがゴルジ体から直接リソソームに運搬されるのではなく、エンドソームからリソソームに運ばれることが示唆された。
3. 癌組織におけるGGA・AP-1複合体の発現解析。GGA抗体については組織染色可能な抗体を作成し、数種の癌組織で解析を行った。
研究期間全体を通じて、GGA・AP-1複合体がエンドソームでEGFRを認識し、リソソームへの運搬を制御することでEGFRタンパク寿命を調節することを見出した。GGA・AP-1複合体を恒常的にノックダウンした癌細胞では増殖能が低下し、さらに数種の癌組織においてGGA・AP-1複合体が高発現することから、GGA・AP-1複合体によりEGFRなどの癌遺伝子の寿命を調節することが癌細胞の増殖などの一因であることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Biallelic Variants in UBA5 Link Dysfunctional UFM1 Ubiquitin-like Modifier Pathway to Severe Infantile-Onset Encephalopathy.2016

    • 著者名/発表者名
      Muona M, Ishimura R,…. Uemura T, …., Lehesjoki AE, Komatsu M.
    • 雑誌名

      Am J Hum Genet

      巻: 99 ページ: 683 - 694

    • DOI

      10.1016/j.ajhg.2016.06.020.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] p62/Sqstm1 promotes malignancy of HCV-positive hepatocellular carcinoma through Nrf2-dependent metabolic reprogramming.2016

    • 著者名/発表者名
      Saito T, Ichimura Y, …., Uemura T, …., Tanaka K, Komatsu M.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 12030

    • DOI

      10.1038/ncomms12030.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Activation of STING requires palmitoylation at the Golgi.2016

    • 著者名/発表者名
      Mukai K, Konno H, Akiba T, Uemura T, Waguri S, Kobayashi T, Barber GN, Arai H, Taguchi T.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 7 ページ: 11932

    • DOI

      10.1038/ncomms11932.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Differing susceptibility to autophagic degradation of two LC3-binding proteins: SQSTM1/p62 and TBC1D25/OATL1.2016

    • 著者名/発表者名
      Hirano S, Uemura T, Annoh H, Fujita N, Waguri S, Itoh T, Fukuda M
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 12 ページ: 312 - 326

    • DOI

      10.1080/15548627.2015.1124223.

    • 査読あり
  • [学会発表] ゴルジ‐エンドソーム局在型クラスリンアダプターGGA2は上皮成長因子受容体(EGFR)の安定化を介して腫瘍増殖を促進する2017

    • 著者名/発表者名
      植村 武文、和栗 聡
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会全国学術集会
    • 発表場所
      長崎市
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30

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公開日: 2018-01-16  

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