88年前に作製された紅藻ヨゴレコナハダのトポタイプ標本からDNAを抽出し,次世代シーケンサを用いて7遺伝子の配列のほぼ全長を決定した。この方法により,作製後数十年を経過した標本や、参照配列の少ない非モデル生物であっても,系統分類学的研究及び種同定に必要な遺伝子配列を決定できることが示された。 日本及び世界各地で蒐集した汎存種紅藻ワツナギソウ,ベニスナゴ,ダルスについて,形態観察と分子系統解析に基づいて種を整理し,それぞれの種の正しい種名と,これまで混同されてきた近似種を日本新産種または新種として区別した。
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