イネの種間雑種で見いだされた顕著な雑種強勢を利用するためには、障壁となる雑種不稔の誘導機構の解明が必要である。アジア栽培イネO.sativaとアフリカ栽培イネO.glaberrimaの種間交雑で種子不稔を引き起こす遺伝的要因の一つとして、第6染色体上に存在するS1領域が知られている。本研究ではこれまでに得られている雑種不稔の変異体を利用し、S1の原因遺伝子の解析を行った。まず、RNA-seqにより、変異周辺の遺伝子構造を明らかにし、候補遺伝子を特定した。次に形質転換により候補遺伝子を導入し、雑種不稔性が相補できることを明らかにした。
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