本研究では、食品に含まれるカロテノイドの消化吸収に対する脂肪酸の影響を検討し、カロテノイドの体内での利用を高める脂質を明らかにすることを目的とした。小腸上皮細胞を用いた実験によりルテイン、アスタキサンチンに関しては、脂肪酸の種類によって吸収量が異なることが示唆された。一方、動物実験による検討ではカロテノイドの吸収に関与する生体内因子の発現調節に対する脂肪酸の関与は認められなかった。よって脂肪酸はカロテノイドの吸収に対し、腸管内でのミセルの安定化やミセルからのカロテノイドの放出などの物理的な要因への関与が大きいことが示唆された。
|