変態機構を理解するため、ウナギ仔魚に絶食処理を施し、変態を誘導させた。変態過程の個体からRNAを抽出し、RNA-seq法によるトランスクリプトーム解析に供した。解析の結果、約3億7千万リードの塩基配列データを得た。各群の発現量を比較したところ、変態過程の中盤で遺伝子が大きく変動しており、特に転写伸長因子、筋原繊維サイズの調節や解糖に関わる遺伝子が変動していることが明らかとなった。また、変態の進行に伴って甲状腺ホルモンレセプターの発現も上昇していた。そこで変態前の個体にチロキシンを曝露したところ変態が誘導された。したがって、ウナギにおいても甲状腺は変態に重要な役割をしていることが示唆された。
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