本研究では、国内で発生数が増加し続けている牛白血病の主原因である牛白血病ウイルス(BLV)の感染予防対策に資するため、初乳中の移行抗体によるBLV感染防御機構の解明を目指した。本研究により、BLV感染牛の初乳から得た乳清には、高いBLV感染防御能を有する移行抗体が含まれることが判明した。乳清には、BLV感染細胞が含まれないため、高力価の移行抗体を含む初乳乳清を新生子牛に給与することで、感染の危険性なく子牛に抗BLV抗体を付与できる可能性がある。今後、さらに検証を重ねることで、初乳乳清を活用したBLV感染予防法が開発されることが期待される。
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